もともとジャイアンだったのか、何かをきっかけに突然ジャイアンへと変化を遂げたのか、着実にジャイアンに近づいていたのか、そのあたりは定かではないのだが、とにかくうちの鬼嫁はジャイアンだった。
当然、その外見からは判断がつかないほどジャイアンだ。
自己中心的で自然発生的な暴力、繰り返される圧倒的に刺激的な日々。
GRAMOROUS Days.
あなたの嫁はどうだろうか。
あなたの嫁や彼女がジャイアンかどうか、この問いを立てることは非常に有意義であるので、ぜひオススメしてみたい。
もし、この問いに対する解がYESだった場合、
パートナーがジャイアンである場合のリスクマネジメントと革新的な解決策を語り合う会合を発足し、日夜しゃべくり倒す場を設けたいと思う。
かくいう私も、嫁がジャイアンだとは思っていなかった。いや、正直に言えばジャイアンの片鱗は見えていた。
家庭内でのその傍若無人さは、邪悪な暴君王ディオニスと比べてもなんら遜色はなく、場合によってはそれ以上の可能性もあり、セリヌンティウスもやっぱりメロスを待つのはやめておこうと思うレベルだ。
我が家では日常的な出来事だが、
家庭内で「身分」という言葉が飛び交うことはなかなか無いだろう。
これまで生きてきた中で「あなたの方が身分が低いから・・・」と言われたことはなかったが、人間の習慣とは恐ろしいもので、繰り返し暗示されるフレーズはやがて脳内に染み渡り、このようにして家庭内カーストは完成していく。
剛田武。
早速、うちの鬼嫁のゴウダタケシっぷりを紹介していこう。
夫婦たるもの、おうちでは会話が発生する。会話は大事なコミュニケーション手段の一つ。
もちろん、我が家でも
「おしゃべりして?」
「ナンカオモシロイコトイッテ」
「はあ〜つまんない」
などとエリカが口火を切るが、そもそも私が帰宅する時間が遅いという理由で不機嫌ベースのエモーションで語りかけてくるエリカ。
なお、弊社の定時時間と今の通勤時間から逆算しても、エリカが要求する17時帰宅には物理的に間に合わないのが現状だ。
「もう!!もっと構ってよ!!
こっちは一人にさせられてるのに!!!」
そう。
私が日中、ヒエラルキーCITY TOKYOでサラリーマンとして汗水垂らして働いていることは彼女の頭の中には微塵も考慮されておらず、
"私を家に一人で過ごさせる"
という悪事を働いていることとなっており、
その時点で
鬼嫁>>>>>越えられない壁>>>>>カースト的な制度>>>>>>>ムコドノ(私)
という公式が定着している。
そのような状況で、
「まあちょっと疲れてるし本も読みたいし、ひとりの時間も必要⭐︎」
と自分の意見を主張したところ、
「ムコドノのくせに、生意気な!!!」
と、著しくジャイアンに酷似したフレーズをエリカは発した。
というより、これはもはやジャイアンに違いない。
それがあまりにもジャイアンだったため、
そしてそれをエリカは真剣に言い放っているため、
非常に珍しいものに遭遇したような、
こんなにもアニメ感のあるシーンが起こっている不思議な気分、
それはもうGRAMOROUS Days.
一方、Wikipediaによると
義理固く涙もろい一面の持ち主であることもジャイアンの特徴の一つらしい。
うちの鬼嫁も非常に涙もろい。
テレビ番組で感動シーンが流れると、ふと横を見たら嗚咽を漏らし始めたかと思いきや
「ううっうううッッわあぁぁあぁ」と号泣していたりする。
先日、寝る前に「君の膵臓を食べたい」を一緒に見たときは、「寝る前にこんなもの見せやがってえええ!!!」と憤怒された。
さらに、なんと、
ジャイアンの将来の夢が歌手であることは、
鬼嫁エリカの幼少期の夢と一致している。
これは完全に想定外だったが、もしかしたら我々の想像以上にジャイアン的な要素を内包しているのかもしれない。
そして、、、
「お前の物はオレの物、オレの物もオレの物」
この思想は言うまでもなく持ち合わせている。
これ以上、ジャイアン的な要素を有することが出来るだろうか。
ここまでジャイアンを構成する成分を含んでいるとすると、ジャイアン以外の何者でもないのではないか。
ただ、嫁がジャイアンであっても構わないのだ。人にはジャイアンになりたい時もある。もしかしたらジャイアン的過程を経て全ての人間は成長していくのかもしれない。そしてジャイアンと過ごすことで一緒に成長していく。そうして、より深い愛が形成されていくはずだ。
「やっぱり、家と外で違いすぎない?」
エリカ「だって、ムコドノは家族だから・・」
うちの鬼嫁ハンパねぇ