今週の平日のこと。
あさ起きてから、
鬼嫁の様子がおかしい。
私と目が合うなり、
なにかをボソッと言ってきた。
「xxx」
「ん?」
そういうと、次ははっきりと聞こえた。
「滅っ」
エリカは右手で大きく
宙にばってんを書きながら、
確かにこう言った。
「滅っ(めつッ)」
平日の朝からこんなシュールな出来事が
あるだろうか。
鬼嫁エリカは、
朝ごはんという食卓の場で、
丁寧に右手を動かしながら、
わたしに死の呪文を唱えてきている。
そう、話は昨晩に遡る。
コロナウイルスの影響を漏れなく受け、
私も在宅勤務となっていた。
在宅勤務で上司への忖度も一切放棄し、
自由奔放で余裕のひとときと思いきや、
世の急激な変化に対応するべく、
案外仕事に追われる日々。
一方でエリカは
私が家にいることで休みと勘違いをしているのか
頻繁に「かまってよ」という主張を繰り返していた。
こうしてバタバタしており、
かつ睡眠不足も重なっていたことから
家庭内での濃厚接触もご無沙汰となっていた。
そして昨晩は、久々に・・・という
会話をしていた。
夫婦間において、夜の営みは大切である。
特に女性にとっては愛を感じる大事な時間。
だが、猛烈な睡魔に襲われたわたしは
深い眠りについてしまった。
抗えない眠気。耐えきれない意識。
1:30AM、
エリカが私を叩き起こした。
「約束したでしょ!!!」
しかし、私は深い眠りについてしまった。
その結果が、朝の出来事だった。
体調を最優先で睡眠を選択した結果、
エリカの怒りのボルテージが振り切れ、
朝から呪いをかけられる事態に陥っている。
「滅っ(めつッ)」
60秒に1回、
鬼嫁は唱え続けている。
パンをかじると、
「それ、毒入ってるから。」
そう言い放つ鬼嫁。
このまま相手にしていても
どうにもならない。
そう思い、仕事へと取り掛かった。
午後、運動不足気味なため、
散歩にでかけることにした。
エリカの機嫌も少しはおさまり、
一緒に散歩にでかけたのだが、
そこからエリカの
恒例のエクストリームな主張が始まった。
「もう!!ムコドノ面白くない!!」
「もっとかまってほしいの!」
家にいるとはいえ、
基本的にわたしは仕事なのだ。仕事中なのである。
バッチリZoomとか使って
会議とかやってる。
普通に途中で「むこどのぉ~~~」
とか言いながら部屋に入ってくるから。
それ、聞こえてるから。
願わくば私もダラダラしてたい。
ポテチ食いながら
ミッションインポッシブルとか見たい。
エ「もっと構って!!」
私「構うってどんなふうに?」
エ「四六時中えりかのことを見ていて常にスケベなことを考えてほしい」
オヤジ臭が漂うパワーワードが織り混ざった、
魔貫光殺砲のようなあまりにもストレートな欲求。
思わず吹き出してしまったが、
エリカは真剣であった。
そういえば、
そんな素直な部分を持つ鬼嫁に惚れたのだった。
うちに鬼嫁ハンパねぇ